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振袖の汚れ、どうする?応急処置から失敗しないクリーニング術までプロが徹底解説


こんにちは、茨城で創業205周年の振袖専門店「佐沼屋」でございます。

「お気に入りの振袖、絶対に汚したくない!」
「もし成人式でシミをつけたら…?レンタルだから弁償?」

一生に一度の成人式。慣れない振袖での立ち居振る舞いに、そんな不安を感じているお嬢様や親御様は少なくないはずです。
高価な振袖だからこそ、ファンデーションや食事のシミ、泥はねなどの「汚れ」は最大の心配事ですよね。

この記事では、振袖専門店の佐沼屋が、振袖を汚してしまった時の「やってはいけないNG行動」と「正しい応急処置」、汚れを防ぐ予防策を徹底解説。
さらに、着用後の振袖を美しく保つための「クリーニング」の種類や料金相場まで、プロの視点から詳しくご紹介します。

振袖の汚れに「自己判断の処置」は絶対NG

万が一振袖に汚れがついてしまった時も、慌てずに正しく対処すれば、シミにならず綺麗にできるケースがほとんどです。

しかし、一番やってはいけないのが「知識なしで自分でなんとかしようとすること」。
良かれと思ってしたことが、かえって汚れを悪化させ、落とせるはずのシミが取れなくなってしまうケースもあります。

特に以下の行動は、絶対に避けてください。

NG行動①ゴシゴシこする

焦って汚れをこすり取ろうとすると、汚れが生地の繊維の奥深くまで入り込んでしまいます。
さらに、繊細な正絹(シルク)の生地は摩擦に弱く、毛羽立ちやスレ(生地が白っぽく見える現象)の原因となり、元に戻せなくなります。

NG行動②濡れたおしぼりやハンカチで拭く

「とりあえず水で拭けばいいのかな?」と思いがちですが、これも絶対にNGです。
水道水に含まれる塩素などが原因で、新たな「水シミ(輪ジミ)」ができてしまいます。
一度できた水シミは、プロでも消すのが非常に困難です。

振袖は、私たちが普段着ている洋服とは全く異なる、非常にデリケートな衣類です。
「こすらない」「濡らさない」を徹底し、落ち着いて次の応急処置に進みましょう。

万が一の時の振袖「汚れ別」正しい応急処置

汚れがついてしまったら、被害を最小限に食い止めるための応急処置が重要です。
汚れの種類別に、誰でもできる正しい対処法をご紹介します。

ケース1:水性の汚れ

醤油・ソース・ジュースなどをこぼしてしまった場合は、液体を広げないように素早く吸い取ることが大切です。
乾いたティッシュペーパーやハンカチで、上から優しく指で押さえて液体を吸い取らせます。

ケース2:油性の汚れ

メイク直し中のうっかりでファンデーションや口紅がついた場合や、食べ物の油などがついた場合は、乾いたティッシュで汚れた部分を軽くつまみ取るようなイメージで、表面の油分をそっと取り除きます。

その後、布に適量の中性洗剤を水で薄め、綿棒で染み部分に繰り返し浸透させます。
広がらないよう、外側から中心へ進めます。
※家庭用漂白剤や強い溶剤(エタノールなど)は、色落ち・風合い低下の原因になるため絶対に使用しないでください。

ケース3:泥はね

成人式や前撮りの日が雨や雪の日だと、泥はねがつくことも。

完全に乾くまで絶対に触らず、 固まってから手または柔らかいブラシで優しくポンポンと叩くようにして、表面の土や砂を払い落とします。

ケース4:水シミ

突然の雨や雪によって濡れた場合は、清潔な乾いたタオルやハンカチを広げ、濡れた部分に優しく当てて水分を吸い取ります。

帰宅後はすぐにハンガーにかけ、風通しの良い場所で陰干ししてください。

成人式当日に振袖を汚さないための予防策

もちろん、一番良いのは汚さないことです。
少し意識するだけで汚れのリスクはぐっと減らせます。

振袖が汚れる主な原因とシーン別の注意ポイントは以下のとおりです。

【関連記事】
【完全ガイド】成人式のマナー|由来から服装、式典・二次会の振る舞いまで徹底解説

食事・飲み物

振袖の袖や裾は、食べ物・飲み物のシミが最も付きやすい場所。
特にソースやケチャップ、赤や色の濃い飲料は要注意です。

【対策】

  • 大きめのナプキンやハンカチを襟元に挟む、膝に乗せる
  • 袖を帯に挟むかクリップでまとめる

メイク崩れ・ファンデーション

振袖を着込んだ後の着付け中や撮影時に、首や襟元にファンデーションやチークが付くことも。

【対策】

  • メイクの際はケープやタオルで振袖をガードする
  • メイクの馴染ませは着付け前に完了させる
  • 襟元は気持ち内側に重ねる
  • 袖を帯に挟むかクリップでまとめる

泥・雨・草履による汚れ

草履から跳ねた水滴や土汚れが裾や足元に付くことも少なくありません。

【対策】

  • 移動中は草履カバーをつける
  • 雨予報の日は雨対策グッズを用意する

【関連記事】
成人式の雨対策|振袖を汚さないためのアイテムや気をつけること、お手入れ方法は?

動作や移動によるこすれ汚れ

座ったり歩いたり、車に乗り降りする際に裾がこすれてしまいやすいです。

【対策】

  • 裾は持ち上げてクリップで挟む
  • 浅い座り姿勢やゆっくりした歩幅で動作を丁寧に行う
  • 車に乗り込む際は裾を少し持ち上げ、お尻から乗る

振袖クリーニングの種類と料金相場

振袖を購入した場合、成人式が無事に終わったらクリーニングに出す必要があります。
時間が経つほど汚れは落ちにくくなるので、着用後はできるだけ早く、遅くとも1ヶ月以内に出しましょう。

「見た目は汚れていないから大丈夫」は禁物。
振袖は、金彩や刺繍、絞りなど、特殊な加工が施された非常にデリケートな着物です。
目に見えない汗や皮脂を放置すると、数年後に黄ばみやカビとなって現れ、手遅れになることも。


一般的なクリーニング店だと風合いを損ねたり、加工が剥がれたりするトラブルが起こる可能性があるため、必ず「呉服店」か「着物専門のクリーニング店」に依頼しましょう。

【専門店に任せるべき理由】

  • 正絹など素材への深い知識がある
  • 金彩や刺繍といった特殊加工への対応ができる
  • 着物の構造を理解した上で、最適な処置を判断できる
  • 仕上げのプレス技術が違い、ふっくらと美しく仕上がる

振袖のクリーニングは、汚れの状態に合わせていくつかのメニューを組み合わせるのが基本。
金額は合計で15,000円〜30,000円程度が一般的な予算感です。

クリーニングの内容にもよりますが、通常1ヶ月~2ヶ月程度の期間を要します。

丸洗い

「丸洗い(京洗い・生洗い)」とは、振袖を解かずに専用の溶剤で洗う、全体のドライクリーニングです。
皮脂や手垢、ホコリやチリ、ファンデーション、排気ガスなどの油性の軽い汚れを落とします。

料金相場:8,000円~15,000円

💡佐沼屋の「丸洗い」のこだわり

  • 手洗い
    着物の状態によりブラシを変える、佐沼屋独自の技法です。
    汚れの目立つ所だけでなく、汗・ホコリなどが付着している可能性のあるところは、揉み出すように丁寧に洗い上げます。
  • 自然乾燥
    ドライクリーニング後、24~26℃の低温で一昼夜自然乾燥させます。
    必要以上の熱を与えないので振袖に優しく(着物の縮みを無くせる)、洗剤溶液の匂いを完全に飛ばしてふわっとしたソフトな仕上がりに近づけます。
  • 手仕上げ
    風合いのある仕上げをするために、細心の注意を払い、振袖に優しい独自のプレスをかけます。
    蒸気の熱で本来の風合いを戻す、熟練職人だけができる技法で、他店との仕上がりの違いが最も出る工程です。

汗抜き

振袖を着ると、冬場でも知らないうちに汗をかいています。汗(塩分)の汚れは、放置しておくと酸化して黄ばみやカビになります。
除去をするには、水溶性の洗浄が必要です。

佐沼屋では汗をかいた部分に噴霧機で細かい霧をかけ、汗を抜いていきます。
生地が縮まないように加減をしながら、汗の成分が抜けるまでこの処理を繰り返します。

ただし、汗には皮脂などの汚れも付着しており、脂質を除去する洗浄も必要となりますので、油性の汚れを落とす「丸洗い」とセットですることをおすすめします。

料金相場:3,000円~5,000円(丸洗いにプラス)

シミ抜き

基本的には「丸洗い+汗抜き」を行い、目立つ汚れがあれば「シミ抜き」を追加しましょう。
食べこぼしやファンデーションなどによるシミや、部分的な頑固な汚れは職人が手作業で落とします。

佐沼屋では、お預かりした着物一枚一枚の生地の種類やシミの状態に合わせて、溶剤や専門の道具を使って丁寧に処理をしていきます。

料金相場:2,000円~(1箇所あたり/シミの種類や大きさで変動)

洗い張り

全体に汚れがひどい場合は、「洗い張り」が効果的です。
仕立て上がりの着物を一度すべてほどいて、「反物」の状態に戻してから全体を水洗いします。

汚れ落ちが最も期待できるクリーニング法で、生地本来の風合いや光沢を取り戻し、全体をさっぱりとリフレッシュさせることができます。
古い着物も「洗い張り」で生地を蘇らせることができるので、お母様から譲り受けた振袖(ママ振袖)などをお嬢様の寸法に合わせてサイズ直しをする際などにも行われます。

ただし、油性のシミや変色したシミは「洗い張り」では落ちないものもありますので、別途シミ抜き等が必要です。
また、着物をほどいて洗うため、必ず「お仕立て直し」が必要になり、時間と費用がかかります。

料金相場:約20,000円~30,000円
+ お仕立て直し料金:約50,000円~80,000円

レンタルの振袖を汚してしまったら?

「レンタルの振袖を汚したら、買い取りになっちゃうの…?」と心配される方が非常に多いですが、ご安心ください。

ほとんどのレンタル店では、万が一の汚れに備えた「安心保証パック」を用意しています。 そのため、通常の着用でついてしまった汚れ(ファンデーションや食べこぼし等)であれば、追加料金なしで対応できる場合がほとんどです。

大切なのは、汚れを隠さず、正直にレンタル店に申告すること。
振袖に汚れがついてしまった場合は慌てずに、すぐにレンタル店へ連絡・相談しましょう。

まとめ

振袖の汚れは、誰にでも起こりうるトラブルです。
パニックにならずに正しい知識を持って対処し、購入・レンタルしたお店に正直に相談しましょう。

そして、大切なお振袖を末永く美しく保つためには、プロによる専門的なクリーニングが欠かせません。

佐沼屋には、着物のお手入れのプロ「きものケア診断士」が在籍。
着物のお手入れに関するすべてのお悩みについてご相談いただけます。

また、振袖のレンタル・購入だけでなく、アフターケアにもこだわっています。
熟練職人による「丸洗い」「汗抜き」「シミ抜き」「洗い張り」も承っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。

◇ ◇ ◇

茨城県南一の振袖の品揃えを誇る佐沼屋呉服店は、茨城県龍ケ崎市・牛久市・阿見町・稲敷市・美浦村・河内町・利根町・取手市・守谷市・つくばみらい市・土浦市・つくば市・常総市で成人式のお手伝いをさせて頂いております。

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